GOLDEN BALL CRUSH

DATABASE

作品#001 『MES◎N de ◎IL』

MES◎N de ◎IL

STORY

アパート「メゾン・ド・オイル」が取り壊されることが決まった。
たった1回のライブで解散した伝説のバンド「NEVER GIVE UP!」の拓哉(リーダー)の部屋 に元・メンバーの正広、慎吾、吾郎が過去の栄光に縋る様に平凡な日常を送っていた。
拓哉の幼馴染み、剛がやってきた。
超有名アイドルグループと同じ名前になってしまった5人は、合コンのリハーサルをしても、 大家さんから超格安物件を紹介してくれる条件付の「お見合い手助け作戦」もうまくいかず、 どうしてこうなってしまったのか重く考える様になる・・・。
正広が口火をきり、バンド再結成を志願する。

ある日、ソロで売れてしまった元・メンバーKATSUYUKIが正広の借金を返済してもらおうと土足で部屋に入ってくる。 借金のことは誰も知らなかった。
月が笑って見える日、正広は部屋を飛び出して行った。

正広の誕生日&それぞれの旅立ちを祝おうと大家さんが自家製ケーキを作って待っていた。
荷物を取りに帰って来た正広に大家さんが語りかける。
「もっと仲間を信用しなさい。ただ、それだけでいいんじゃないの?」
正広はテーブルに置かれたナイフを持ち、驚くメンバー達の中で涙が流れるのを堪えながら、ケーキカットをする。
それぞれ違う道を求めて出て行く中、今まで一声も発しなかった吾郎が暗闇の部屋に正広を呼び戻す。
吾郎「誕生日おめでとう。まだ未完成だけど聞いて欲しい。タイトル何だっけ?」
正広「何でもいいよ。」
吾郎「未完成の歌」
以前、正広が吾郎に作曲をお願いした曲を吾郎が彼の背中を押すように歌う
「月が笑ったから言うけど、僕が1番嘘つきなんだ・・・」
月明かりが差し込む部屋で、吾郎は「未完成の歌」を1人で完成させる。

なかざわMEMO

メンバーの飯塚のかっちゃんと出会ったのはこの時でした。
どうしても音楽を志す人に、この「吾郎役」をやって欲しかったんです。 でも、いきなり芝居を知らないミュージシャンに「芝居もして欲しい」って言った僕はひどいです。
何かに野望を抱いてた時期でした。
デートで芝居を観に来るような、手軽で重みのあるものにしたかったんです。
日常の若者の会話のような主語を抜いた台詞にし、みんなが共感できる話題を敏感に取り入れ、 さらに短時間で気持ちや世界が伝わる飯塚勝美の生演奏の導入で、 泥臭くない現代の青春コメディが完成したんだと思います。
アンケートで一番多かった意見で「何処から何処までがアドリブだか分からなかった」
嬉しかったです!
この本も「未完成な脚本」だと思うので、また歳相応の「青春」を感じたら創作したいです。

フライヤー制作MEMO

1回目の打ち合わせの時に、なかざわ氏が持っていたCD店のフリーペーパーを参考に方向性を決定しました。
このフライヤーは『四角い枠が並んでいる』というレイアウトを決めてから、どんな写真を入れ込むかを考えました。
タイトルに「O(オー)」が入ってるのが分かった瞬間に、この流れを思いつきました。
「地球」という大きなもの→「誰かの部屋」という小さなものへの、一連の流れが自然になるよう写真の並べ方にはこだわっています。
本音を言えば「地球」→「部屋」→もう一度「地球」に戻したかったのですが、サイズの関係で、ここまでとなってしまいました。
ちなみにこの写真の流れ。あるバンドのPVを参考にしているのは、ココだけの話です。
(古高千恵子)

公演記録

  • 2005年5月28日(土)・29日(日) <計4回公演> アルテパテオ(阿佐ヶ谷)
  • ≪Cast≫ 小名木 俊亮(Oily Face) / 中沢 浩之(Oily Face) / 高山 健司(劇団破戒オー!!!) /  横山 拓生 / 飯塚 勝美 / 石橋 忠士 / 千葉 綾乃(木山事務所)
  • ≪Staff≫ 脚本・演出: なかざわひろゆき / 照明: 今西 理恵(LEPUS) / 音響: チャーリー&ちゃっぷ /  映像: 一ノ瀬 一太 / 舞台監督:さくら たまこ / 宣伝美術: 古高 千恵子 / 制作: 金子 陽子

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