経営不振に追い込まれてる、レストラン「オリーブ・オイル」。
パートのおばちゃん、大山が店内に幽霊が潜んでる噂を流す。
「皿を洗ってるとギターの音色が聞こえてくる・・・。」
そんな中、野心もなく誰からも店長だと思われない、店長「阿部」は平凡な日常の業務をこなしていた。
パパは経営者でよく店長だと間違われる、
副店長「マリナ」が本場イタリアに飲食業界の経営ノウハウを習得するために店を数年離れる事を告げ、
代わりに「イタリアのマエストロ」通称ボーノがやって来た。
ボーノの本当の目的はこの店の厨房での伝説の料理人「Mr.ケン」の弟子入りをするためだった。
有名人だと微塵も思ってなかった店員達・・・。
ケンの背中の重みが見えた日でもあった。
ケンは口を開く。
「唯一弟子入りを許したギターが大好きな青年がいてね。
ある日、私の仕事を任せた翌日に燃えた灰の下で彼は眠っていたんだ。」
みんなに聞こえているのか、ギターの音色と歌声が店内に響く。
彼の哀愁漂うメッセージが阿部の閉ざされた心を開かせた。
本物の飲食店でレストランの店員達のシチュエーションコメディの興業をうちたかったんです。
演出のたまこ姉さんに、今でも大変お世話になってる「Red Dragon」を紹介してもらいました。
そこのマスターが凄い面白い人なんですけど、たまに真面目な顔して興業のアドバイスも頂けるんです。
「食べながら、飲みながらという所を大切にして欲しい。芝居やるなら劇場の方が観易いんだし・・・。」
それを聞いて、何とか厨房も使えるようお願いしました。脚本に登場する伝説の料理人「Mr.ケン」が、メインステージで物語が進行する中、
ガラスの向こうの厨房で本当に料理を作り続けてる様子を見せたいと思ったんです。
フライパンから昇る炎、まな板を叩く音、香りが伝わるのは劇場では中々味わえません。
出演者の小名木君が普段作ってたナポリタンにマヨネーズを絡めた「マヨリタン」もその場で作ってお客様に食べさせたり、
メインステージから少し離れたカウンターでも同時進行で芝居してたりで、
空間全体を舞台にしたこの興行は本当に面白かった!演出にこだわった作品です。
また「RED DRAGON」での興行は必ず行いますので、楽しみにしてて下さい!
マジ料理、美味いっす!!
とにかく『可愛く』をテーマに作りました。
Oily Face時代から、なかざわ氏の作品のフライヤーを手がけてきましたが、
ここまで可愛く攻めたのは「オリーブ・オイル」が初めてだと思います。
今まで使ったことのないピンクをメインにしているあたりなんか、特にそうですね。
このフライヤーは印刷にかけずカラーコピーで配布するということだったので、
写真ではなくイラストだけ使用することにしました。
なので、写真を切り絵のように切り抜いて作成してあります。
男性と女性のカットを切り抜いている時に、なんだか妙に気恥ずかしくなったのは、ココだけの話です。
(古高千恵子)